有限会社ダイユー

光が空間に宿す「意味」——ある別荘における照明リノベーション

お問い合わせ コーポレートサイト

光が空間に宿す「意味」——ある別荘における照明リノベーションの記録

光が空間に宿す「意味」——ある別荘における照明リノベーションの記録

2025/08/14

照明まで設計されている住宅は、実は少ない

建築やリフォームの際、多くの方が意匠・設備・家具に目を向ける一方で、「照明」は後回しにされがちです。
設計段階から照明に対する具体的な意識を持つことは、実はまだ一般的ではありません。

しかし、明るさや光色だけでなく、**空間全体における“光の質”と“バランス”**まで設計されている住空間は、それだけで圧倒的な快適性を生み出します。

では、建築当初に照明設計を見落としてしまった場合、もう手遅れなのか?
答えは「いいえ」です。

 

後からでも、光の質は確実に変えられる

私たちがご相談を受けたのは、十数年前に別荘を購入されたお客様からでした。
週末ごとに滞在され、自然と音楽を楽しむ豊かなライフスタイルを築かれていた方です。

ある日、深夜に音楽とお酒を楽しむ中で、「なぜかこの空間が落ち着かない」という違和感に気づかれたそうです。

その“違和感”の正体を探るうちに、「照明」が影響しているのではないかという仮説に至り、ご自身で器具を買い足すなど工夫を重ねられました。

しかし最終的には、

  • 必要以上に明るく感じる

  • 薄暗くて読書や作業に向かない

  • 光の色が空間に馴染まない

  • 部屋ごとの印象に統一感がない

といった点に限界を感じ、プロへのご依頼を決断されたのです。

 


照明コンサルティングの進め方

照明は、単に「照らす」道具ではなく、空間の印象・用途・感情に影響を与える設計要素です。
そのため、私たちがまず行うのは「光の好み」や「空間での過ごし方」を丁寧に言語化する作業です。


1. ヒアリングで価値観と感性を共有

  • 空間の使い方と過ごし方のヒアリング

  • お好みのインテリアや旅先、ライフスタイル

  • 疲れにくさ・くつろぎやすさといった身体感覚

  • 既存の内装・素材感との調和

言葉になっていないご要望や感覚を“翻訳”するのが照明デザイナーの役割です。


2. 光の設計図に落とし込む

ヒアリングをもとに、以下のような計画を立てます:

  • 器具配置・種類・演出の設計

  • 照度や輝度バランスの検討

  • 調光制御やシーンコントロールの仕様化

  • 電源・配線計画の整理(必要に応じて施工図面も)

このプロセスを経て、空間の意図が光によって形を持ち始めます。


3. 現場とともに仕上げる

計画が優れていても、施工と調整が不十分であれば、その魅力は半減してしまいます。

そのため弊社では:

  • 電気工事会社との詳細打ち合わせ

  • 配光や角度の現場調整

  • シーン設定(シューティング)

  • お引き渡し後の調整提案

まで伴走し、“完成度”にこだわった照明空間を提供しています。

 

 

完成後の変化とクライアントの声

照明計画の全工程を終えたあと、お客様が語ってくださった言葉があります。

「この建物が本来持っていた“力”が、やっと引き出せたような気がします。」

光によって空間のポテンシャルが解放され、ようやく自分の場所としてフィットした。
そんな実感を得ていただけたことが、何よりの成果だと感じています。



照明デザインの本質は「感性 × 技術」

照明を「明るい/暗い」「白い/オレンジ色」といった単純な選択肢で語るのは、非常にもったいないことです。

照明デザインは、以下のような多層的な要素の掛け合わせによって成り立っています:

  • 光源の色温度と演色性

  • 器具の配光特性とグレアコントロール

  • 周囲輝度とのバランス(アダプテーション理論)

  • 空間用途に応じた調光演出

  • 使う人の心理的快適性

これらを、空間構成や人の動線と組み合わせて統合的に設計していく。
それが照明デザインの本質です。



用途に応じた照明の在り方

空間によって、最適な照明バランスは異なります。

空間タイプ 照明設計のポイント
住宅(別荘含む) 心身を癒す配光設計、調光シーンの多様性
商業施設(物販) 商品の質感・形状を引き立てる立体的照明
飲食空間 食材や器の色を引き出す演色性・陰影演出
オフィス空間 眼精疲労の抑制、作業集中と休息ゾーンの明暗差設計

プロフェッショナルとしての私たちの役割は、こうした要素を総合的に判断し、最適な提案へ導くことにあります。

 

 

おわりに:「気づけた方」から体感は変わる

最後に一つ、お伝えしたいことがあります。

空間における“照明の違和感”に気づける方は、実はごくわずかです。

  • 「なんとなく落ち着かない」

  • 「空間がぼやけて見える」

  • 「何かが足りない気がする」

これらは、単なる気まぐれや好みの問題ではありません。

感性の深い層で、空間のポテンシャルと“自分の感覚”とのズレを察知しているサインです。

その微細な違和感を見過ごさず、照明に意識を向けた瞬間から——
空間の印象は変わり、過ごし方が変わり、“体感”そのものが変わり始めます。

そして、その変化は確実に、生活の質に波及していきます。

----------------------------------------------------------------------
有限会社ダイユー
住所 : 神奈川県川崎市高津区千年727
電話番号 : 050-8894-0498


神奈川のインテリアコーディネーター

東京にて照明設計や施工サポートを実施

東京にてニーズに応じた設計

東京にてオフィスの照明を提案

東京にて店舗向けの解決策

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。